近年、PCの電源投入直後を狙ったDMA(Direct Memory Access)攻撃への対策が重要視されており、一部のゲームのアンチチートソフトウェアなどで、Pre-Boot DMA Protectionの有効化が求められることがあります。しかし、一部のマザーボードではPre-Boot DMA Protectionを有効化するためにはBIOSアップデートが必要な製品があります。
Pre-Boot DMA Protectionとは?
Pre-Boot DMA Protectionは、PCがOSを読み込む前の段階での不正なメモリアクセス(DMA攻撃)を防ぐためのセキュリティ機能です。
電源投入直後はOSの防御機能やセキュリティソフトがまだ働いていないため、この脆弱なタイミングを保護する仕組みとなっています。
BIOSアップデートが必要なマザーボードは?
2025年12月の時点では、主に下記のモデルでアップデートが必要とされています。詳しくはご利用のマザーボードメーカーの情報をご参照いただき、BIOSアップデートを行なってください。
- ASROCK: Intel 500、600、700、800シリーズチップセット搭載モデル
- ASUS: Intel 400、500、600、700、800シリーズチップセット搭載モデル
- GIGABYTE: Intel 600、700、800シリーズチップセット搭載モデル、AMD 600、800、TRX50シリーズチップセット搭載モデル
- MSI: Intel 600、700シリーズチップセット搭載モデル
BIOSアップデートが必要になった事例
こちらではいくつかのマザーボードで、BIOSアップデートが必要になった事例を紹介いたします。
ASROCK B760PRO RSの場合
下記画像のバージョン12.03では「Control Iommu Pre-Boot Behavior」の項目が存在しておらず有効化できなかったため、BIOSアップデートが必要でした。

BIOSをバージョン13.01にアップデートすることで、下記画像の通り「Control Iommu Pre-Boot Behavior」の項目が現れ、有効化できるようになりました。
※マザーボードによっては「Pre-Boot DMA Protection」の名称で項目が表示されることがあります。

※ASROCK製品につきましては、下記URLの公式FAQに設定項目名についての案内がありますので、こちらもあわせてご参照ください。
https://asrock.com/support/faq.jp.asp?id=549
ASUS PRIME Z790-A WIFIの場合
下記画像のバージョン1820では「Control Iommu Pre-Boot Behavior」という項目がありますが、設定変更しても正常に動作せず、結果的にBIOSアップデートが必要でした。

BIOSをバージョン1825にアップデートすることで、下記画像の通り「IOMMU DMA Protection」の項目が現れ、こちらを「Enable with Full Protection」に設定することで有効化できました。

MSI B760 GAMING PLUS WIFiの場合
下記画像のバージョン7D98vHC1では「Control IOMMU Pre-boot Behavior」という項目がありますが、設定変更しても正常に動作せず結果的にBIOSアップデートが必要でした。

BIOSをバージョン7D98vHCにアップデートすることで、下記画像の通りで見た目こそ変わりませんが、「Control IOMMU Pre-boot Behavior」の項目を「Enable IOMMU during boot」に設定することで有効化できました。
※マザーボードによっては「Enable IOMMU during boot」が選択できず「Enable IOMMU」を選択する必要があります。

※本記事作成時点(2025年12月現在)の情報に基づく記事となります。