4Kゲーミングモニターなど、高解像度かつ高リフレッシュレートのモニターでマルチディスプレイ環境を構成しようとする場合、グラフィックボード側の制約によりすべての映像端子が使用できない現象が起きることがあります。
●仕様について
仕様については、NVIDIAのウェブサイトで確認できますが、例えばNVIDIA GeForce RTX 4060 Tiの場合は下記の通り注意書きがされています。
マルチ モニター:
・DP または HDMI を使用した 4K 120Hz の 4 つの独立したディスプレイ
・DP または HDMI を使用した DSC で 4K 240Hz または 8K 60Hz の 2 つの独立したディスプレイ
・その他のディスプレイ構成は利用可能な帯域幅に基づいて可能になる場合があります
弊社で検証した結果を踏まえて、4Kモニターだけに限定して要約すると、最大リフレッシュレート121Hz以上の4Kモニターは、最大リフレッシュレート120Hzの4Kモニター2台分としてカウントされ、下記の通りの制約があります。
・最大リフレッシュレート120Hzまでの4Kモニターを使用する場合、最大4台まで使用可能
・最大リフレッシュレート240Hzまでの4Kモニターを使用する場合、最大2台まで使用可能
※リフレッシュレートは接続時にいくつに設定してあるかではなく、モニターの仕様上の最大リフレッシュレートでカウントされます。
これはNVIDIA GeForce RTX 4060 Tiの場合の制約ですが、ほかのGeForceのグラフィックボードでも同様に仕様により制約が生じます。
●接続例
接続例1:4K 160Hzのモニターを2台接続した状態 → これ以上モニターを接続しても認識されません
接続例2:4K 120Hzのモニターを3台接続した状態 → 4K 120Hzのモニターが1台追加できますが、最大リフレッシュレートが120Hzを超えるモニターは接続しても認識されません
●回避策
DisplayPort(入力)→HDMI(出力)等のアクティブタイプの変換アダプターを使用することで、変換アダプターの持つ変換回路がグラフィックボードに通知する最大リフレッシュレートで認識されるようになることを利用する方法があります。
例えば、DisplayPort→HDMIの4K 60Hz対応のアクティブタイプの変換アダプターを使用すると、4K 240Hzのモニターでもグラフィックボードからは4K 60Hzとして認識されるようになります。ただし、最大リフレッシュレートは変換アダプターのものになるため、60Hz以上に上げることはできなくなります。
※動作確認環境:Windows 11 Pro 22H2 / NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti / グラフィックドライバー バージョン 552.22
※動作環境が異なる場合、こちらの記事通りの動作とならない場合がございます。
※本記事作成時点(2024年7月現在)の情報に基づく記事となります。