パソコン本体やルーター等はそれぞれ規格が対応しているのに、ネットワーク接続が安定しない症状や速度が出ない症状の際、LANケーブルに原因があった事例がございます。こちらではLANケーブルの確認ポイントを紹介いたします。
外観の確認
ケーブル部分に被覆の破れや折り曲げの痕などが確認されるケーブルでは、安定した信号伝送ができない場合がございます。ケーブル部分にダメージがございましたら、LANケーブルの交換をおすすめいたします。
また、きしめんのようなフラットケーブルを採用したLANケーブルの場合、外部からのノイズの影響を受けやすくなっております。LANケーブルの配線の都合、どうしても必要な場合を除き、通常タイプのLANケーブルのご利用をおすすめいたします。
差し込み状態の確認
LANケーブルをパソコン本体やルーター等の端子に差し込みますと、ラッチで固定される方式となっております。差し込みが不十分でラッチで固定されていない状態ですと、安定した信号伝送ができない場合がございます。LANケーブルはラッチで固定されるまで奥まで差し込まれているかご確認ください。
また、ラッチが破損している場合も同様に通信が安定しなくなることがございますので、LANケーブルの交換をおすすめいたします。
LANケーブルの種類の確認
お使いのLANケーブルがパソコン本体やルーター等の規格に対応していない場合、伝送帯域が足りずに通信が不安定になったり、速度が出ない場合がございます。このような場合には、対応した規格のLANケーブルへの交換をおすすめいたします。
●パソコン本体またはルーターのLAN端子が100Mbpsの場合
Cat.5またはCat.5e、Cat.6、Cat.6AのLANケーブルであるかご確認ください。
●パソコン本体またはルーターのLAN端子が1Gbps/2.5Gbps/5Gbpsの場合
Cat.5eまたはCat.6、Cat.6AのLANケーブルであるかご確認ください。
※Cat.5のケーブルは100Mbpsまでしか対応しておりません。Cat.5のケーブルをご利用の場合はLANケーブルの交換をご検討ください。
●パソコン本体またはルーターのLAN端子が10Gbpsの場合
Cat.6、Cat.6AのLANケーブルであるかご確認ください。
※Cat.5eのケーブルは5Gbpsまでしか対応しておりません。Cat.5eケーブルをご利用の場合はLANケーブルの交換をご検討ください。
※Cat.6のケーブルの場合、長さが55m以内かどうかご確認ください。Cat.6のケーブルは長さが55m以内に限り10Gbpsに対応しております。それより長いケーブルが必要な場合はCat.6Aケーブルへの交換をご検討ください。
●LANケーブルの種類の確認方法
LANケーブルのパッケージ等を捨ててしまった場合でも、ケーブル部分にカテゴリ名や配線規格名が刻印されており、ケーブル部分をみて判別が可能です。RJ-45コネクターに対応したLANケーブルの規格の刻印は次の通りです。
- カテゴリ名:Cat.5 配線規格名:ANSI/TIA/EIA-568-B.1
- カテゴリ名:Cat.5e 配線規格名:ANSI/TIA/EIA-568-B.2
- カテゴリ名:Cat.6 配線規格名:ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1
- カテゴリ名:Cat.6A 配線規格名:ANSI/TIA-568-B.2-10
※Cat.7やCat.7Aを称するRJ-45コネクターのLANケーブルについて
厳密にはCat.7やCat.7Aに対応したRJ-45コネクターのLANケーブルは規格上存在しないため、実態としてはケーブル部分にCat.7やCat.7Aのケーブルを採用した特殊なLANケーブルとなります。
基本的にはCat.6AのLANケーブルと同様に使用できますが、ご利用のパソコン本体やルーター等のネットワーク環境によっては、ごく稀に通信が不安定となる原因になる場合がございます。そのような場合には、Cat.6AのLANケーブルへの交換をご検討ください。
なお、Cat.7やCat.7Aの規格に正式対応したLANケーブルは、Cat.6AまでのRJ-45コネクターとは形状の異なるARJ-45コネクターまたはGG-45コネクターまたはTERAコネクターが採用されており、企業やそのデータセンター等で使用されるLANケーブルとなっております。
※本記事作成時点(2024年5月現在)の情報に基づく記事となります。